ここ何年かで、サスティナブルやSDGsなどの環境に関する言葉を耳にする機会が増えて来ましたが、同じ環境用語を表す言葉として「エシカル」を知っていますか?
あまり聞き覚えのない言葉だと思いますので、今回は「エシカル」についてお話させていただこうと思います。
早速ですが、エシカルとは「倫理的」の意味を持つ言葉です。昨今の環境問題や社会問題に目を向けて、人、社会、環境に優しいものづくりを提供、購入することで社会を循環させていくという意味を持っています。ここだけ読み解くと、サスティナブルと同じように感じる方もいるかと思いますので、チョコレートを具体例として説明させていただきます。
スーパーやコンビニに販売されているチョコレートの原材料で使用されるカカオですが、主な原産地は、コートジボワールやガーナなどです。どちらの国にも共通していることは、あまり豊かではないということです。更に問題点として、カカオ豆は安く買いたたかれる事が多く、貧困から抜け出せないということが問題に挙げられています。以前、テレビ番組を観ていたところ、カカオの生産地を取材しており、そこで働く小学生ぐらいの男の子が、「チョコレートってどんな食べ物なの?」と取材陣に訪ねていた姿が記憶に残っていますが、この問題は今も尚、改善しきれていない課題となっております。
そんな現状を変えるべくカカオの生産者が適切な金額を得られ、生活、労働環境を変えていこうという取り組みが始まりました。この取り組みをフェアトレードと呼びます。また、フェアトレードされて、生産された商品をエシカル商品と呼び、エシカル商品を購入することで生産者に適正な価格が支払われ、経済が循環することをエシカル消費と呼びます。 サスティナブルとの違いは、サスティナブルは長く持続させることに対して、エシカルは問題を実現するためにはどうするかということです。どちらも持続可能な社会を循環させるという点では共通の意味を持っています。それでは、私たちのお店で取り扱う【洋服】ではエシカルとどう向き合うべきなのでしょうか?
エシカルと洋服について
エシカルと洋服について考える時にまず、日本で年間破棄されている洋服の量をご存じでしょうか?東洋経済オンラインの調べによると、年間で約79万トンの洋服が処分され、リサイクルや再利用されず、処分される洋服は63%もあるとされています。具体的な数でいうと、29億着がリサイクル等で再利用され、15億着が捨てられるという結果が出ています。
これを踏まえてエシカルと洋服を考える時に消費者としては「これはもう着ないから捨てる」のではなく、フリマアプリなどを利用して、使わないで終わらせずに次の誰かに引き継ぐ事などが考えられますが、ファッションを楽しむ上で、流行やトレンドは欠かせませんので、洋服を購入する際は「リサイクルコットン」や「オーガニックコットン」など、環境に配慮された素材を使って生産された商品に目を向けてみるのもいいかもしれません。
そして私たちお店側としては、同様に環境に配慮した素材を使用された商品であったりより長く愛用頂ける商品を皆様にご提案していくことが大切なことだと考えています。
今回はエシカルについてお話しさせていただきましたが、次回のコラムでは、今回のお話を踏まえて皆様にご提案させていただきたい商品をご紹介させて頂きたいと思います。